両親が3日間の旅行へ行った時のことです。僕ももう大学生でしたし、食事をはじめ自分のことは自分でできる年齢ですから、特に不安なことはなく笑顔で両親を送り出しました。地元の大学だったので実家から通うことを選択しましたが、一人暮らしには憧れがありましたし、両親がいなくなった家はまるで一人暮らしのようでテンションが上がったのを覚えています。
が、僕は「自分しかいない」ということをちゃんと理解できていませんでした。確かに自由なんですけど、自分しかいないということは何かトラブルが起きた歳、自分しか対応できる人間がいないということです。そして、そういう時に限ってトラブルは起きるもの。留守番2日目の夜に、トイレの水漏れを発見したのです。漏れ具合としては、雑巾一枚が1時間ほどでグチャグチャになるくらいです。トイレの便器と床の接地面から漏れてきていて、僕はどうしていいかわからずパニックになりました。トイレは汚いイメージもありますし、なんで水漏れなんか起きているのかもわかりません。しかも水漏れは留まる気配がないのでどうしていいやら。大慌てで親に連絡したものの、パニックになっているのでうまく説明もできず、状況が親に伝わりません。やっと伝わったと思っても、両親は遠く離れた旅先ですからどうしようもない状態。親が帰ってくるまでずっとこのままなのかと、胸が締め付けられる思いでした。
結局、親が旅先から知り合いの水道屋さんに連絡を入れてくれて、電話した2時間後くらいに修理に来てくれました。料金は親が帰ってきてから払うことになっているそうで、その場でのお金も発生せず、僕としては本当に助かりました。水道屋さんが神に見えましたね。
一人というのは、自由な反面やることや責任が大きくなります。一人暮らしに憧れるだけでなく、現実的な部分も見ることができたいい機会ではありましたが、あんな思いはもう二度とゴメンだ、とも思います。